3月の代表メンバー発表の会見で古橋、旗手の招集外の理由を問われ、思わず本音を漏らした森保監督。 「「リーグのレベルや置かれた状況違う。総合的に判断した」リーグのレベルが低いと暗に示したこの言葉は事実なのか? セルティックの現状、過去にセルティックで活躍した選手、リーグ得点王、MVPを取った選手の今はどうなっているのか? この言葉が事実かどうかをゆっくり解説。
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日本代表のメンバーが発表されたけど会見の中で森保監督の口から、どうしても気になる言葉があったんだよね。
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今後を占う初陣での会見ですから、気になる言葉はとても多かったですけどどの言葉ですか?
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古橋、旗手が選外となった事について理由を聞かれた際に、
「CLも含めて試合はチェックしているが、総合的な判断。リーグのレベルや置かれている状況も各国違う。」
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と回答。これってつまり、スコットランドのリーグのレベルが他に比べると高くないって言ってるのに等しいよね…?
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うーん、活躍してるのは知ってるけどリーグのレベルや置かれてる状況が違う、と言ってるのはまぁ確かに…。
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今回招集されたメンバーの所属クラブのリーグをざっくり出してみると、
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Jリーグから7人。残りの19人は海外組という事になるんだけど、
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ブンデスから6人、ブンデス2部から1人。ベルギーから3人、プレミアから2人。残りは1人ずつ。
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スイス、オランダ、ポルトガル、スペイン、フランス、オーストリア、スコットランド。
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こうやってみると、かなり多国籍な代表の面々になりましたね。
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今回の考察はスコットランドのリーグが低いのかどうか。
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これらの国と色々なところから比較してみたいと思うよ。
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まず分かりやすく順位がついてるのがUEFAランキング。所属クラブや代表チームによって評価し、ランク付け。
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過去5年間遡ってつけるランキングなのである程度は信用していいと思うし、事実CLの出場枠などに影響してくる。
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これによると上位は大体想像通り。イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア。
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こうやって見るとドイツのブンデスで活躍している選手が多いのは日本のレベルが上がった事を証明してますね。
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続いて、フランス、オランダとCLでも上位に食い込むことがあるクラブが所属する国が登場し、
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さらにポルトガル、ベルギーと続くんだけど、そのあとにスコットランドがランクイン。
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という事は世界で10番目って事ですね。
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もちろんブラジルやJリーグなどの欧州以外の国は省いたランクだけどね。
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今回代表に招集されたメンバーが所属するクラブの国でスコットランドより下の国と言えば、スイスとオーストリア。
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そうやって聞くと、スコットランドは確かにリーグのレベルが高いとは言えないのかもしれませんね。
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続いてスコットランドリーグの中でのセルティックの立ち位置について確認していきたいと思うよ。
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ご存知の通り、スコットランドは2強状態がずっと続いている。セルティックとレンジャーズだね。
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90年代後半はレンジャーズの黄金時代、2000年に入ってセルティックが盛り返し、2010年以降はセルティックが圧倒。
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2016-17シーズンから2019-20シーズンは4年連続で国内3冠を果たしているように近年は圧倒的。
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改めて聞くと無双しすぎですね。
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これをどう判断するかだよね。
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国内で圧倒的な力をもつセルティックだからこそ試合を支配でき、旗手は躍動し、古橋はゴールを量産できるのか。
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それとも王者と呼ぶにふさわしいチームで代わりのきかない選手へ成長したことを評価すべきなのか。
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うーん、そういわれると確かに悩ましいところですね。
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もう1つ注釈すると、国内では無双でも欧州を舞台にするとそういうわけでもない。
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CLには毎年のように出場するものの、グループを突破したのは2012-13シーズンを最後に遠ざかっている。
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旗手はマドリー戦で印象に残る活躍をしていたものの、チームは敗戦。古橋もCLではゴールを決めていない。
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その辺りの活躍がセルティックにいながら代表に招集されるボーダーラインになるんですかね?
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まぁ、セルティックからは前田が選ばれているんだけど、あれはかなり特殊なFW。
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古橋や旗手が現在ポジションを競ってる相手を上回る印象を残すには、CLでの活躍が必須になってくるのかもね。
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セルティックが2006-07と2007-08と2年連続でCLのグループステージを突破した事があるんだけど、
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06-07シーズンは伝説となっている中村俊輔のFKでユナイテッドをくだして決勝トーナメント進出を決定させ、
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翌年もグループでミラン、ベンフィカを破り、ベスト16でバルセロナを相手にしたチームでリーグ連覇に中村俊輔は大きく貢献した。
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時代が違うから何とも言えないですけど、それぐらいやれば無視はできなくなりますね。
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まとめると、国内では無双してるものの、欧州の舞台ではいまひとつ輝けない。
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そう聞くとリーグのレベルが高くはないって言葉も的を射ている気が…。
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リーグのレベルって意味でいえばライバルのレンジャーズは昨年のELで準優勝を果たしたものの、
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揃って出場した今季のCL本選では両チームとも未勝利、レンジャーズは全敗。セルティックは引分けが精一杯。
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CLが世界でも最高峰のレベルな事は言うまでもないけど日本代表が目指すところに足りてないって判断なのかな…。
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結論としては、スコットランドリーグのレベルはセルティックを含めて高くはない。そういう事になっちゃいますね。
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世界基準で考えればその通り。ただ比較対象はあくまで日本代表のポジションを争う選手たち。
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例えば、古橋が漏れたFWでいえば前田は特殊なので除外するとしても、
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浅野はブンデスで15試合1ゴール1アシスト。上田はベルギーで29試合13ゴール。町野はJで1ゴール2アシスト。
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古橋はスコットランドで26試合20ゴール2アシスト。
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ただし、これらもチームの状況によって左右される。例えばボーフムはブンデス最下位クラスの得点力不足。
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セルクル・ブルージュも得点力があるチームとは決して言えない。
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それに対してセルティックはぶっちぎりでリーグ最多の90ゴール。今季記録した得点だけで判断するのも難しいよね。
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古橋はゴール数だけで言うとめちゃくちゃ結果だしてるだけに判断に困りますね。
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じゃあ今季古橋が得点王を取るとして、スコットランドリーグで直近で得点王を取った選手の現在をみてみよう。
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最も比較しやすいのはセルティックで2019-20、2020-21と連続得点王を獲得したフランスのエドゥアール。
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現在はプレミアのクリスタル・パレスでプレーしている。ただし現状ではうまくいってるとは言い難い。
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今季は24試合に出場し、3ゴール。直近は途中出場も多く、10月末以降ゴールは生まれていない。
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これはもちろんクリスタルパレスのプレミアでも最下位クラスの得点力不足というチーム状況もあるけど、
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2年連続得点王であっても、プレミアでは思ったようなプレーはできていないのが現状。
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さらに昨年の得点王であるギアクマキスは古橋に出場機会を奪われ移籍志願。
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Jリーグの浦和という噂もあったものの、MLSのアトランタ・ユナイテッドへ。
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MLSのレベルが低いとは言いませんが、ヨーロッパですらないんですね…。
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スコットランドのリーグでの得点王がどういうものなのか、ちょっと分かるような気がするよね…。
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旗手はどうでしょう?ポジションも異なるし、古橋に比べるとユーティリティ性も高いように思うのですが…。
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これもチームで与えられた役割や状況によって異なるところだと思うんだけど、
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これも分かりやすく比較するならば旗手は月間MVPを受賞したように、年間MVPの候補にもあげられている。
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セルティック内において、旗手の存在感は際立ってますもんね!
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そのスコットランドリーグでMVPを取った選手が今どういう状況なのか。
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それを整理してみようと思うよ。
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昨季はセルティックで主将も務めているカラム・マグレガーがMVPを受賞。
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セルティックのアカデミー出身で長期契約を結んでいたこともあり移籍はせず今季もセルティックでプレー。
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その前年はレンジャーズのタヴァーニアー。昨季はELでも大暴れし、SBながら大会得点王を取る大活躍を見せた。
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しかし移籍の噂もなし。レンジャーズに来る前はニューカッスルからプレミア2部、プレミア3部のチームを転々。
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レンジャーズに移籍してきたのは24歳の時。それからは主力として活躍しているもの、ステップアップはできていないね。
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うーん、厳しい…。
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それ以外のMVP受賞者をみてもステップアップせずにスコットランドでキャリアを築いている選手がほとんど。
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もちろんファン・ダイクのようにセルティックを経て世界的なプレーヤーになった例もあるにはあるんだけど、
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決して順調にステップアップできているとは言い難いのが実情。
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つまり森保監督のいう、レベルがどうこうって判断はおおむね正しい、と…。
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私が例にあげているのはあくまで例で、古橋や旗手ら今の日本人選手に全てあてはまるとは思わないけど、
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森保監督は、古橋や旗手らは総合的な判断という言葉で隠したけど代表チームにはフィットしないと判断した。
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それをリーグのレベルうんぬんというのはちょっとリスペクトに欠けてるな、と…。
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まぁ確かに…。
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あとは半年後、1年後に結果を出すのではなくあくまで4年後を睨んでの強化が必要。
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今、古橋や旗手が合わないとしても、時間に余裕があるんだから、サッカーの幅を広げる意味で再チャレンジしてもいいのかなって。
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今後古橋のようなタイプのFWがでてきても、代表には不要って事ですもんね。
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そういったことも折り込み済みで、その上で優先順位をつけてテストしたい選手を呼んでいるんだろうけど、
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森保監督も言ってたように
「この招集が全てというわけではない」
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という言葉を信じて、古橋や旗手には今後も奮起してもらいたいね…。
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古橋や旗手がプレーの幅を広げれば逆に代表にもフィットしますしね!
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だね。森保監督がそういった変化を見逃さず、つぶさにチェックしテストする監督であると信じよう!