2023年の日本代表のキーワードは「ビルドアップ」 偽サイドバックなど大歓迎である新しい試みをみせてくれたウルグアイ戦を戦った選手たちの声からチャレンジを紐解く。 時間が解決してくれるのか?それともチョイスした選手を変えるのか?選択が問われる森保JAPANの現状をゆっくり解説
ウルグアイ戦は1-1のドロー。勝てはしなかったものの、強豪ウルグアイ相手に引分け。勝てはしなかったものの、
新しい試みもいくつかみられたし、新戦力の手応えもあった。ここからどういう成長をしていくのか楽しみだね。
そうですね。悪い時と良い時と、差が激しかったようにも思いますが最初からそんなにうまくいくわけないですし!
でもウルグアイ戦、実際にプレーしていた選手はどういう手応えだったんでしょうね?
森保監督自体は手応えを感じていたようにも思うけど、確かに選手の手応えは気になるところだね。
ちょっとその辺からも新チームの状態を推測してみよう。
まずはこの日ほぼフル出場、念願のスタメン起用となった三笘。
「後ろからビルドアップして、僕のとこについてからの連携とか、堂安のところもそうですけど、前半は難しいところがあった」
「クオリティのところによりますけど、周りに人がいない時もありましたし、」
「そこでワンタッチ、ツータッチででできればよかったですけど」
と前半に関してはやはり新しい試みも含めてまだまだ経験不足な感じは否めないようだね。
これは初戦ですし、雨でコンディションも良くなかったことを考えると、多少は致し方ないところはありますよね。
ただ三笘は今後それは改善されていくかという見通しについては、
「やり方をいろいろ試しながらやってましたけど、結局、一番いい形はどうなのかっていうところ」
「それがわからないまま終わったところはありました」
このコメントから推測するに、コロンビア戦でそれが改善されるかどうかってところで言うと少し難しそうだね。
もう少し辛抱強くやっていかないとですね。
攻撃の形、ビルドアップというのは恐らく名波コーチのアイデアである、偽サイドバックのあたり。
SBが中に入ってきてビルドアップにも参加するってやつですね。
サッカーのフィールドの真ん中からみてちょっと両サイド側、このハーフスペースを有効に活用しようという試み。
クラブ単位では積極的に取り入れられてるんだけど、名波コーチもジュビロの時にこの戦術に取り組んでいた。
その分、SBにより多くの役割が求められるわけで、菅原と伊藤の試合後のコメントも気になるところ。
森保監督は試合後にこのトライをダイレクトに言及。
「SBの選手は攻撃のところでボランチのポジションの高さだったり、内側のポジションを取ってビルドアップに関わる」
「これはトレーニングでもやってきたので、この試合でも攻撃の関わりの部分でチャレンジしてほしい」
両SBにこのように指示をだしていたとコメントしているんだけど、菅原自身は
「右足のパスは自分の強みだったので、もっとビルドアップに関わるべきだった。」
「積極的に相手のスペースを見つけてそこにボールを配球したりとか、SBのところから発信できたらよかった」
と自身が消極的であったようなコメントをしている。
菅原自体はすごくよかったと思うんですけどね…。
まぁ合宿がはじまったのは20日の事。最終的に全員が合流したのは21日。
さらに戦術練習となると試合までに2日ほどしか時間的な猶予がなかったという事になる。菅原も、
「代表チームの宿命だとは思うけど、できるだけ、詰められるだけ詰めないといけない」
と準備時間の少なさを指摘してるけど
「映像を見返していろんなディスカッションを重ねて、より良くできることは間違いない。」
「1試合目で課題がたくさん出ているのは今後に向けてポジティブなことでしかない」
と前向きだね。
あとはこの取り組みを多くの選手が理解して誰がでてもやれるようにしないとですかね?
右SBに関してはそこまで心配はいらないかもしれない。
多くの人が感じたように菅原は新戦力として明確に爪痕を残した。
菅原は良かったですよねー。カタールにもいて欲しかった…。
右SBを争うであろう選手をみていくとガンバの半田も候補にあがると思うけど、
ガンバに来る前の山形時代を含めて、偽サイドバックのような役割を担っていた。
という事はこの戦術に対して理解度がある程度あるって事ですね。
ガンバのポヤトス監督から求められている役割についても、
「相手を広げる役割というか、中のスペースを自分が使うというより広げて使わせるイメージ。」
「山形では受け手になることが多かったですけど、ガンバでは出し手になることが増えるので、成長できそうだなって」
と異なる役割をクラブでこなす事でプレーの幅も今後広がっていきそうだし、コロンビア戦では半田にも注目だね。
なるほど!右はどちらかというと悪くない時間帯も多かったですし、問題は左なのかなぁと。
伊藤洋輝自体が悪い選手かというとそこまで悪い選手とは思わないけど、どうだろうね。
ウルグアイ戦後は、三笘との関係が表面化したコスタリカ戦も含めて、
「コスタリカ戦もついていくのか、ついていかないのか迷いがあった。」
「自分のマークは自分でついていくと意識して取り組んできたので、そこは良かったと思います」
と自身の中では手ごたえを感じているものの、適切なポジションかというと…。
伊藤は左のCBで使ったら?って結構しつこく言ってますよね?笑
というのも伊藤が中に入る動きをしてスペースを作った場合は三笘に対してパスが出しやすくなるよね?
そうですね。逆に言うと三笘に預けても少し手詰まりになってた感はどうしてもありましたけど…。
ウルグアイ戦だと三笘にはほぼマンマークで相手がついてきてたから、三笘が下がると後ろに大きなスペースが。
そこにパスがでれば大チャンスですね!
そこに配給できるのは遠藤や守田、あとは左CBに入ってた瀬古あたりだけど、
そのボールに走り込む役割は左SBの伊藤、もしくは浅野、鎌田になる。
そういうシーンもウルグアイ戦では見られたと思いますよ!
ただ伊藤だと突破力に乏しく、鎌田は役割を明確にできてなかった感じ。浅野が左に流れると中央が薄くなるしね…。
つまり、三笘と組むなら縦の突破力がある程度必要なSBが相性が良いんじゃないかって事ですか?
三笘が中に入った場合もスペースをうまく使えるようになるし、戻った場合もそのスペースを使える。
そのパスの出し手になりえる左CBに左利きの選手がいた方がスムーズだと思うんだよねぇ…。
瀬古だと厳しいですか?
厳しいって事はないけど、やっぱり右足でのパスの方が多かったしね。
うーん、なるほど…。左SBで縦への推進力のある選手か…。バングーナガンデ佳史扶はどうですか?
実際に見てみないと何とも言えないし、あまりハマってない感じがあったからウルグアイ戦では試して欲しかったよね。
あとは怪我で辞退してしまったけど横浜FMの角田。三笘と同じ筑波からJ入り。短い期間ながら一緒にプレーしているし、
代わりに招集された町田浩樹は三笘が依然プレーしていたユニオン・サン・ジロワーズに所属。
この二人も伊藤同様、左利きでCBとSBの両方をこなす事ができる選手。
なんだか三笘に縁のある選手が偶然なのか多数いますね…笑
意図的かどうかは分からないけど、ここの組み合わせは無数にあると思うし、
だからこそ伊藤の左SBでのウルグアイ戦フル出場はちょっともったいなかったかな。
角田は残念ながらテストできないですけど、コロンビア戦では新しい形をみせて欲しいところですね!
そして、この新しい試みをどうやって実現させていくかは森保監督とコーチ陣にかかってるわけですか…。
いわゆるビルドアップの部分を強調して取り組んでいたと思うんだけど、
横パス、もしくは後ろに下げるパスが目立っていたし、それによって相手を動かせるようなところもあまりなかった。
結局、前でパスをつないで崩すのは難しいなら後ろにパスの出し手がいないと厳しいですよね。
戦術を浸透させるとなるとある程度選手も固定する必要があるし、新しいテストがしずらい側面もある。
前日会見でベースにすると言っていた4-2-3-1ももしかしたら4-4-2とかに変えていく必要もでてきそうだね。
ツートップはあまり試してる印象ないですが、今のFWならば上田と町野とかでも機能しそうですね!
森保監督は知っているように頑固だしシステムに手を付けるようなことはしない気がするけどね…。
とはいえ、新しい試みは大歓迎!なんていっても時間は4年間あるわけで。
ですね。今年は大会もないし、貴重な親善試合、色々テストをして驚かせてほしいですね!
だね。コロンビア戦も期待しよう!