2023年初戦は1-1の引き分け!戦術的なチャレンジ、新戦力の台頭など収穫があるも、課題は山積み…。 スタメンのチョイス、役割の適正、選手との距離感…。戦術三笘・伊東に逆戻りするかどうかの日本代表の新しい挑戦をゆっくり解説。
2023年の初戦、ウルグアイ戦は1-1の引き分け。うーん、なんて言ったらいいんだろうね。
強豪でもあるウルグアイにホームとはいえ引き分けた事を評価する人もいますし、内容に対して不満を持つ人もいるかなと。
そうだね、まずは森保監督の試合後のコメントからみていこう。
「W杯を経験した組と、経験の浅い選手たちがどうやって関わっていくか。チームの新たな融合を目指しました」
とこの試合、まぁコロンビア戦でも継続して取り組むであろうテーマをまず提示し、さらに
「今日の試合は、SBがどう攻撃に関わっていくかをトライしましたが、なかなかうまくいきませんでした。」
「ただ、選手たちがやりながら工夫をしてくれて、試合で良いリズムを作ってくれました。」
確かに右SBに入っていた菅原は前評判通りの活躍だったと思います!
堂安、そして後半からは伊東とコンビを組んだわけだけど、どちらも菅原は問題なくこなしていたし、
得点につながった右サイドからの崩しは菅原から伊東への見事な縦パスから伊東がそのまま持ち込みクロス、
上田がニアでデコイになってフリーの西村が決めるという形。
あのゴールはサイドからの展開で一つの理想形ですよね!
対戦相手のあっての事だろうけど、後半の方が日本の対応が良くなった感じはあるよね。
あとは伊東はやっぱり効きますね…。昨日の試合では三笘よりも伊東って感じでした。
三笘はしっかりと対策されてたよね。特に縦の突破には相当気を使っていた。
ただ三笘もそれに対して中に切れ込んでパスを出したり、時には突破に成功してたし能力の高さはみせつけてくれた。
相手が組織的に三笘に対策をしてるならばやっぱりこちらも組織で三笘を活かす形が取れたら良いのですけどね…。
そういう動きはゼロってわけじゃないけど、やっぱり左SBとの関係性だよね。
昨日左SBに入ったのは伊藤。以前から連携については少し微妙かなと思ってはいたけど…。
加えて鎌田、浅野との関係性も少し気になるところ。三笘が大外に張ったままになってるシーンもあったし、
三笘がもっと中で受ける動きやそれに連動した伊藤の上がり。
これは伊藤が悪い云々という話よりは左から崩そう!ってなった時の三笘、鎌田、浅野の連動した動き。
こういったところがみえづらかった感じはどうしても否めないね。
この辺は場数を踏んでいくしかないところなのかもしれないですね。
カタールがベースになっているわけだからそんな悠長な評価もどうかなと思うけどね。
個人的には左SBはもう少し攻撃的な選手を。伊藤はサイズも大きくて、パスの精度も高い。さらに若く、左利きという希少な選手。
左SBよりはクラブと同じように左CBで使ってみて欲しいんだけどね…。
左に比べて右からの攻撃が形になっていたのは菅原の力によるところがやはり大きいですかね?
だと思うよ。前半の途中からは堂安とも距離関係が明らかに良くなってたし、本人の対応力も相当高いと思う。
この日唯一のゴールとなった右サイドの起点になったのも菅原だし、伊東との関係性も全く問題ない。
少し前がかりになりすぎるところも見受けられたけど、特徴の一つだし今後は右SBは菅原が序列でトップじゃないかな。
この両サイドからの攻撃というのはカタール以前から、このチームの攻撃の核。
伊東と三笘だと出場時間数にかなり差があるものの、このチームの攻撃のオプションであり続けているわけだけど、
そこに対して戦術的な意味でトライはあったもののそこまで進歩がみられなかったというのは寂しいところだね…。
うーん、戦術伊東、戦術三笘が揶揄ではなく、言葉通りの意味合いになる事を祈りたいですね。
もちろん評価すべき点もある。失点はしたものの、守備陣は粘り強く守ったんじゃないかな。
この日のDF陣の並びは、菅原、板倉、瀬古、伊藤洋輝。中盤には遠藤と守田。
昨日は遠藤守田の並び、特に守田は出来が良くなかった中で、カタールからはガラッと変わったDFライン。
冨安、吉田、酒井宏樹、長友が抜けているわけですもんね。
失点のシーンは前後のプレーを含めてバルベルデを褒めるしかない。さすがワールドクラスの選手だね。
ですね、一人で決めちゃった感じ…。
それ以外でもピンチはあったものの最後のところではしぶとく守ってた。
課題としてはビルドアップの部分。ただこれは前の選手との関係性もあるし、これから改善されていく部分だと思う。
ですね!守田あたりの出来次第ではずいぶんとスムーズにいくような気がします!
そういう意味で言うと、昨日最もガッカリというか、あれ?っと感じたのは鎌田かな…。
鎌田…。クラブも含めて好不調の波が激しくなっている気が…。
特に前半だよね。試合からほとんど消えてしまってたし、見せ場は1度か2度。
同情すべき点もある、前と後ろ、あとは両サイド距離を鎌田が調整しようとしてるシーンもあったんだけど、
それがうまく解消できなかった。そういう舵取りをピッチ内でできるのはやっぱり鎌田しかいない。
もしかすると、最初から中盤の底でゲームをコントロールする形の方が鎌田には向いてるのかもしれないね。
そうすると今の鎌田のポジションがぽっかり空いてしまうわけですが…。
この日は堂安が右で先発したけど、現状の戦い方を考えると、明らかに伊東に分がある。
堂安や久保を真ん中においてある程度自由に動いてもらう形の方が、両サイドもやりやすくなるんじゃないかな?
攻撃的な形ですが、それもまたありかもしれませんね!
全体の感想としては昨日の試合はカタールW杯の前に逆戻りしかねないって印象だよね。
ドイツ、スペインでは相手をリスペクトした戦い方とワンチャンスをものにする形で成功を収めたわけだけど、
こっちからも主体的に仕掛けよう、点を取りに行こうという展開だと、依然として頼りはサイドの突破のみ。
森保監督のコメントからも、
「選手たちがやりながら工夫をしてくれて、試合で良いリズムを作ってくれました。」
「たくさんのサポーターの皆さんが応援してくれた事で、最後に追い付いて逆転しようという選手たちの気持ちが現れていた」
「失点した後に崩れなかったという部分では、若い選手がメンタル面でもタフなところを見せてくれました。」
まぁ、戦術的な狙いがあったとしても試合後のコメントでそれを述べる監督じゃないですしね…。
森保監督はW杯後にはじめて継続的に指揮を執る事になった監督。今までをベースにしつつ新しいトライもあった。
両サイドで高い位置をとって仕掛ける。ボールの保持している時は逆サイドのSBが中に入ってくるような動き。
あとは中からボールを追い越すような動きもみられたよね。この辺りは新しいコーチ陣の試みなのかもだし、
今後も継続的にチャレンジしてみて欲しいけど、コロンビア戦でどうなるかって感じだね。
まぁ初戦ですし、最初から全部がうまくいくとは限りませんよ!
その通りだね。ただそれならばその戦術に合った選手をチョイスしてほしいかな。
三笘をほぼフル出場させたのならば、左SBは伊藤のほかにもバングーナガンデを試して欲しかったし、
こういう形ならば招集外となった旗手を左SBに据える形もアリだと思う。
FWに関しても前から追うだけではなく、相手のDFをはがすような動きが欲しい。
浅野が三笘の突破をちょっと邪魔するような動きをしていたのはきつかったですね…。
後半から入ってきた上田はゴールこそなかったものの、その辺の意識は高かったように感じたし、
取り消しになったものの、伊東に対して潰れ役となって攻撃を組み立てた部分。
あとは西村の得点シーンでのニアに走り込むような動き。
試合後の上田のコメントを見ても、
「ニアやスペースに走り込むというのは、狙っているところだし、ファーストポストにFWが走り込まないとあそこが空かない。」
「自分の中で徹底しているし、あそこに入っていくのは好きなので、そこが噛み合ったと思う」
と狙い通り、意図をもったプレーだという事が分かるよね。
浅野よりは上田、もしくは町野がどういったプレーをできるかを今後はみさせてほしいところです!
浅野は前からのプレスや裏に抜け出すのを積極的に狙ってるのは分かるんですが、
チームとしてハマってるかというとちょっと難しいですよねぇ…。
浅野はもういいよって思うところもあるけどその動き自体が悪いわけじゃないしね。
結局どうやって攻撃を組み立てるか、ってところと選手のストロングポイントをどうやってチョイスしていくのか。
そこが噛み合えばもう1つ上の強いチームになれるだろうし、
そこがギクシャクするなら戦術伊東か戦術三笘しかなくなるって感じかな…。
まだ初戦ですよ!悲観的にならない!
だね、コロンビア戦は良い内容と2023年初勝利を期待しよう!