3月に開催、そのままワールドカップの予選になっているU-20アジアカップ! その大事な大会に臨むU-20日本代表で唯一の海外組として招集されている髙橋仁胡。 バルサユース育ち、U-16スペイン代表にも選ばれた過去をもつ逸材の経歴、プレースタイルをゆっくり解説
A代表の南米の強豪との親善試合も 気になるところだけど、それに先駆けて アンダーカテゴリの代表戦があるね。
若い世代の活躍を青田買いで楽しんでる 人もいますし、今後の事を考えると 下のカテゴリとはいえ気になるところですね!
だね。3月にウズベキスタンで行われる U-20のアジアカップ。今回からは U-20のワールドカップの予選も兼ねてる。
これがそのまま世界につながる道に なってるって事ですね。これは胸熱!
アジアカップ、ワールドカップともに 延期になっていて2020年代になってからは 初めての開催。是非好成績を期待したいね。
ですねー!2026年には主力を担う ぐらいの気持ちで頑張って欲しい…! そういう意味で注目選手はいます?
若い選手のチームだから、クラブでの活躍も 目立つ選手がちょこちょこいるぐらいだけど、
例えばFC東京の松木は昨季チームの主力 の1人といっても良い活躍だったし、
セレッソの北野はU-20代表で10番を 背負うにふさわしいと言える。
昨季のルヴァンカップでは高校生ながら ニューヒーロー賞を受賞。今季の飛躍が 最も期待される若手だね。
粒ぞろいですね~!
中には大学生ながら選ばれてる選手も いるんだけど、ほとんどがJリーグの クラブの選手たち。
その中で一際異彩を放ってる選手に 私は注目したいと思ってるんだ。
おお、海外組ですか?誰でしょ?
サイドバックの高橋仁胡、まだ17歳。 今はバルセロナのユースにいるんだ。
にこ、って読むんですね。ちょっと 名前からして海外っぽい名前ですが。
正式には高橋センダゴルタ仁胡。 お父さんがアルゼンチン人でバルセロナで 生まれスペインでそのまま育ったんだ。
ガチの海外組でしたか…。
彼のプレースタイルやここまでの 経歴を少し紹介してみようと思うよ。
恐らく日本でその名前を知られたのは 2019年。今から4年近く前だね。
5歳からフットサルをはじめて、 10歳にサッカーに転向。そのプレーを バルセロナに評価され13歳でバルサ入り。
13歳…。久保とかと同じ感じですね。
下部組織でサッカーの基本技術や バルサの哲学を叩き込まれ、16歳の時に 契約延長。この時の所属はフベニールB。
フベニール??
バルセロナはAチームをトップに、 下部組織は細かく分かれていて、
Aチームの下にバルセロナB。ここには Aチーム昇格間近の選手が多くいるんだけど
そのBチームの下にあるのがフベニール。 さらにそれがAとBに分かれてるんだね。
ピラミッドの階層がえげつないですね…。
さらにその下にカデーテと呼ばれる カテゴリが。これは大体年齢で分かれてると 思ってもらっていいんだけど、
当時16歳の高橋は年齢的には カデーテに所属する年齢。そこを飛び級で Bとはいえフベニールへ。
ということは、その時点でかなり 期待されてる逸材だったって事ですね。
そのフベニールでも活躍し、現地紙が 早くもスペイン、アルゼンチン、日本の どの国の代表になるかという記事を出すほど。
この年にはU-16とはいえスペイン代表に 選ばれた実績もあるから不思議でもなんでも ないんだけどね。
いやー、そんな逸材が日本代表に…!
もちろん日本側も高橋には注目してて、 2022年のU-19日本代表に飛び級で選出。
この時はまだ16歳。今回のU-20でも 飛び級で選ばれているように、能力的には 上のカテゴリで通用するという判断だね。
すでに下のカテゴリでも日本代表に 縁があったんですね。このままA代表も 日本を選んでくれると良いんですが…。
高橋本人にも日本は特別な国という 感覚はあるみたいで、U-19の代表に 選ばれた時には、
「嬉しいというのが一番」
「日本代表のシャツを着られて自分も 嬉しいし、お母さんも嬉しい。」
「頑張りたいな、という思いで いっぱいになっている」
と素直に喜びを口にしているし、 代表うんぬんではなく日本についても、
「小さい時から『日本に行きたいな』と 思ってきたしサッカー選手としてスペインで トライしたい気持ちがあったけど、」
「いつも『日本代表に呼ばれたい』と いう思いはあった」
と明確に代表を視野に入れている事を 明確にしている。
これはありがたいですねー!
それにまだ10代。U-19に選ばれた時には
「日本代表招集の連絡が来たときは、 嬉しくてまずはお母さんに電話して、 すごく喜んでもらえた。」
「試合はお母さん試合も観に来るし、 本当に楽しみにしている。ユニフォームを 着た写真を送ったら涙を流してくれた」
と微笑ましいエピソードも披露。 なんというか、いいお母さんだなと思うね。
お母さん思いの良い子ですねー。
それだけにU-19に続いてのU-20の 選出は本人も含めて家族も喜んで いるんじゃないかな?
ですね!ちなみにどういう選手なんでしょ? 経歴は分かりましたけど…。
バルセロナでは左サイドバック、もしくは CBもこなし、長いフィードのアシストが 脚光を浴びた事もあるように、
ボールを扱う技術は高い。これは スペイン仕込みと言っても良いのかも。
まだ17歳と若いのも影響してるのか 身長は173cmと小柄な部類だけど、 対人能力も高く当たり負けしない。
U-19の合宿に参加した時には 今回のU-20の監督でもある冨樫監督も その技術力に感嘆し、
当時の合宿にも参加し、同様に 今回のU-20代表にも選ばれてる J2岡山の佐野航大は高橋について
「常に前を見ながらサッカーを している。ボールの置き所も良くて、 パッと前を向ける。」
「そういうのは見習うところ。本当 にボールの持ち方が抜群にうまい。 すごく勉強になる。」
「ボランチであのプレーができたら、 相手もやばいと思うはず。」
と自身のポジションであるボランチでの プレーのヒントにしようと思ったと コメントしているほど。
なるほど、もしかしたらSBだけじゃなく ボランチとかにも適性がある選手かも しれないですね。
高橋本人が手本にしている選手として バルセロナでプレーしているスペイン代表の ジョルディアルバの名前をあげてたけど、
ジョルディアルバも小柄ながら スピードと技術、そして体幹の強さ。
それらを武器に世界最高峰の左サイドバック として長きにわたって活躍している。
将来的にはそういった選手に なるポテンシャルがあるのかもしれない。
なるほど、なんとなく イメージしやすくなりました!
そのU-19代表で臨んだフランスで行われた モーリスレベロトーナメントでは日本代表は コロンビア、アルジェリア、コモロと対戦。
高橋は2戦目のコモロ戦でスタメン出場。 後半12分には交代となったものの、
上のカテゴリでも十分にプレーできる ことを示した。飛び級の選手といえば 将来性を買って、という事もあるけど、
高橋は将来性も加味しつつ、 試してみたくなる選手だろうね。
今回のU-20代表も前回と同じ富樫監督で 前回に続いて招集したというのも 何か光るものがあって、の事ですもんね。
今回の招集メンバー発表での会見でも 唯一の海外組である高橋の招集について その意図はなんなのか、と質問が飛んだ。
その際に富樫監督は、
「前回のフランス遠征でもこのチームに 参加している。そのあとのスペイン遠征の ときも、こちらに来て活動をした。」
「フランス遠征のときから比べると、 11月のスペイン遠征ではものすごく 成長していた。」
「戦術的で頭の回転がすばやく、 身体の反応ができていた。」
「年下だけど、これなら自分たちのチームの 力になれるだろう、ということで選んだ」
と将来性よりも現在の実力のみで 選んだという事を強調している。
また成長したポイントについても、
「守備から入れるということ。フベニールの 戦いだと、比較的に後ろのサポートが多い。」
「しかし代表に来るとそこから前に 関わっていく。そして、左足の精度の 高いボールは彼にとってすばらしい特徴。」
「そういう部分がアジアの予選では 必要になってくるというところで選んだ」
と明確な意図をもって選出した事も 明らかにしている。
なるほど、左サイドバックのポジションを 争う選手はどの辺りになるんですか?
恐らく水戸の松田あたりになると思うよ。 福島にあるJFAアカデミー出身で中盤から 左SBに転向したキック精度も高く、
水戸で昨季のJ2で12試合に出場し、 クラブは早くも複数年での契約を 締結した将来性がある選手だね。
U-20とはいえ代表なわけですから 優秀な選手ばかりですもんね。
それでも唯一の海外組、しかも バルサユースというのは良い意味で チーム内でアクセントになるはず。
もちろん高橋だけじゃなく、ここから A代表に近いうち定着していく選手も 出てくるだろうし、
アジアカップ、そしてワールドカップで 若き日本代表たちが活躍するのを見守ろう!
ですね、高橋くん、完全に覚えました!